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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

短期滞在ビザ緩和で「右も左も中国人」に? 国内観光業者にも広がる危機感と疑心暗鬼

公開日: 更新日:

「久しぶりに大阪に戻って、初めて聞いた言葉は中国語。ほんまに右も左も中国人や」

 海外で暮らすHさんにとって驚きの変化だった。

 インバウンドのピークといわれた2019年と比較すれば中国からの観光客は260万人少ないが、留学生など他の在留資格での滞在者は増えている。これで、中国人観光客向けの短期滞在ビザが緩和されたら、日本の景観はもっと変わる。

 昨年末、岩屋毅外相は中国人観光客に対する短期滞在ビザの緩和措置を発表した。団体向けの観光ビザは滞在可能日数を15日以内→30日以内に拡大。個人向けの観光数次ビザは、経済要件を厳格化して5年→10年に延長する。さらに高齢層には申請書類を簡素化するーーなど5つの措置がある。この件についてはグローバル化に理解のあるビジネスパーソンでさえも危機感を高めている。

 自らも観光業に携わる女性経営者M氏は、あくまで臆測と前置きした上でこう語る。

「団体30日? これは単なる観光ではないですよね、医療目的? それとも不動産売買? もしかしたら移住のための手続きや職探しとかですかね……」

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