著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

短期滞在ビザ緩和で「右も左も中国人」に? 国内観光業者にも広がる危機感と疑心暗鬼

公開日: 更新日:

■儲けるのは中国人ばかり

 一方、外務省外国人課は「30日以内の日程を組むことで、中国人訪日客は大都市圏から地方へと足を延ばしてくれる」と言う。また個人で申請する際の「高齢層に対する申請書類の簡素化」については、「リタイアした人は在職証明が出せない」(同)ことへの便宜を図ったものだ。

 連載初回で紹介した「学び目的のまじめなツアー」がある一方で、筆者はこれらの措置について疑心暗鬼である。

 治療目的での渡航が増えるのではないか、その際に「なりすまし」などによる医療保険制度の悪用は防げるのか。

 過去に中国マネーは他国で住宅価格を吊り上げてきたが、政府はそれを規制できるのか。それほど中国のSNSでは、「日本への移住(脱出)」「日本の不動産投資」「日本の医療制度の享受」が抱き合わせで喧伝されているのだ。

 昨年11月、中国当局は日本人を対象に短期滞在ビザの免除措置を再開したが、中国から帰国した日本人出張者は「日本から上海への航空機はほぼ中国人。入国審査の列にも日本人は少ない」という。一般の日本人にとってメリットは少ない。

 中国にある日本の在外公館に届くのは専ら中国人の要望だ。

「中国人観光客が大挙して来ても、儲けるのは中国人。それで私たちの生活が豊かになるとは考えられない」という日本の生活者の声は届いているのだろうか。(おわり)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か