輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ
「次回以降の入札も前倒しされる予定です。仮に輸入米の影響で市場がダブつき新米価格が下落してしまえば、コストをかけて増産した農家は赤字になりかねません。ただでさえギリギリで経営している生産者が多いだけに、離農につながってしまう可能性もあります。これまでもコメ農家は、コロナ禍で需要が低下し米価が下落するなど、コメ市場の急激な動きに意欲をそがれてきた。とどまるところを知らない一連の『小泉劇場』には、生産者もコメ価格の変動が読めず、すでに疲弊しきっています。国家主導で米価を変動させることの危うさを、小泉大臣は理解しているのでしょうか」(コメ流通関係者)
ましてや、今年度産米はすでに約40万トン増産される見通し。輸入米入札の前倒し策は、こうした新米シーズンの流通状況を精査する前に打ち出された。米流通評論家の常本泰志氏も、こうクギを刺す。
「これまでに備蓄米は、あわせて約81万トンとかなりの量が放出されています。まだ市場に流通していない分も多く残されたままで、これから価格がどうなるか検証がされないまま、小泉大臣は矢継ぎ早に手を打っている。さすがに拙速と言わざるを得ません」