高齢者生活「限界の10月」の非情…医療費の窓口負担上限引き上げに、食品値上げと光熱費上昇が直撃
すでに対象者は悲鳴を上げている。約1700の医療機関・事業所が加盟する全日本民主医療機関連合会は、今年1~3月に2割負担の対象者らにアンケートを実施。負担感の回答は「とても重い」「重い」が計約6割を占め、医療費増の対応(複数回答)として「預金を切り崩している」(20.1%)、「食費を削った」(12.9%)、「受診をためらうようになった」(10.6%)と答えた。軽減中でも、この切実さだ。措置が解かれる10月からは、ますます「受診控え」に拍車がかかるのは確実である。
追い打ちが10月の食品値上げだ。帝国データバンクによれば3000品目を超え、今年4月(4225品目)に次ぐラッシュだ。サトウ食品がパックごはんを最大17%引き上げ、「おかめ納豆」のタカノフーズも納豆、豆腐、厚揚げの全商品約70品を10~20円値上げ、などと高齢者になじみ深い商品も高くなる。
■長生きは罪なのか
政府の電気・ガス料金補助も9月使用分で終了。気象庁は10月も30度以上の真夏日が続き、特に上旬は10年に1度レベルの高温になると予想しているのに、血も涙もない。
長生きは罪なのか。年金受給額が増えない中、この秋、高齢者の暮らしは限界を迎えかねない。
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