菓子や飲料で容量減相次ぐも…ステルス値上げ“成功”の裏に高齢化アリ
コロナ禍以降、「シュリンクフレーション」という言葉を耳にするようになった。「シュリンク(縮小する)」と「インフレーション(物価高)」を組み合わせた造語で、同じ価格で買えるモノの内容量が減ることを意味する。要するに、食品・飲料各社が実施するステルス値上げだ。
カルビーは2002年、ポテトチップスの新規格に70グラムのパーソナルサイズを加えた。その後、同サイズの内容量は年々減少し、今年3月には原材料価格の上昇を理由に5グラム削減すると発表し、うすしお味は55グラムとなった。
湖池屋もポテトチップスのうすしお味で75グラムの新規格を設定したが、数年おきに削減し続け、今年7月の改定で60グラムから55グラムになった。両社とも原材料や配送費などの高騰を理由に挙げている。
明治の「きのこの山」も1999年時点では98グラム・税別200円(参考小売価格)で提供していたが、今年5月の改定で74グラムから8グラム削減し、66グラム・同265円となった。25年で内容量は約3割減少した一方、価格は約3割値上げ。グラム単価では約2倍となった。各社はなぜステルス値上げに踏み切るのか。