元テレ東・高橋弘樹×元横浜DeNA・高森勇旗「仕事の辞め方」…“お金”や“成功”の不安とどう向き合う

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高卒、ビジネス経験なしの元プロ野球選手が売れっ子コンサルになれたワケ

入山 プロ野球選手の引退後のキャリアっていろいろあると思います。高森さんはいま、数十社もの企業に経営コンサルタントとしてかかわっている。野球選手からコンサルタントに簡単になれるものなんでしょうか?

高森 「なれました!」という感じですね。

入山 普通は大学を出て、大手コンサルティングファームで経験を積んだり、1、2社、大きな会社で経営経験があったりする人が転身するケースが多いと思います。元プロ野球選手で、しかも失礼ながら通算1安打じゃないですか。なぜ、多くの企業が高森さんに声をかけてくれるのでしょうか?

高森 駆け出しの頃にクライアントになってくださった会社さんにとって、僕を雇うのはバクチだったと思います。“高卒”“元プロ野球選手”“ビジネス経験なし”のコンサルなんて怪しすぎるじゃないですか。よく採用してくれたなと思います。ところが、最初に雇ってもらった会社は2カ月で経常利益が3倍になりました。これは、ある種の“ラッキーパンチ”だったと思います。ただ、その会社の経営者の方が面白がっていろいろな人を紹介してくださり、僕も結果で応えていったことでその後がつながっていきましたね。僕の会社はホームページもないので、仕事のきっかけは口コミだけです。「ここも、あそこも結果が出ているなら、うちでもお願いしたい」という感じで、広がってきました。

入山 高森さんはついには『降伏論「できない自分」を受け入れる』(日経BP)という本まで出すに至ります。タイトルからすると、成果を出せる人のほうが実は“降伏”しているということでしょうか?

高森 そうですね。成果を出せる人ほど降りるのが早いという感じですね。つまり、自分のこだわりやしがみついているものからすぐに“降りる”という感覚です。

入山 なるほど。降りられるからこそ、本当に強いところまで行けると。

高森 降りられる人には新しい情報が入ってきますし、新しいやり方もすぐに試せます。

入山 プロ野球時代の高森さんは、逆に降りられなかったということですか。

高森 降りられないどころか、自分はイケてると思い込んでいましたから(笑)。でも、プロ通算6年で1本しかヒットを打っていないという現実を認めない限り、次には進めない。その現実を受け入れて、そこからどう挽回していけるか。もし僕みたいになってしまった場合、早く“降伏”してほしいという僕からのメッセージなのです。

入山 いまの話で言うと、おふたりはそれぞれテレビ、そしてプロ野球の世界から降りています。そこで、まず高橋さんにお伺いします。実際、ご自身が退職した経験について改めてどう受け止めていますか?

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