国際医療福祉大学 医学部新設も“1校だけ”の特別扱い
「成田市ほど時間はかけられない。これは官邸の最高レベルが言っていること」――。加計学園の獣医学部新設を巡る文科省文書に登場する成田市。安倍官邸が国家戦略特区の“前例”として倣った国際医療福祉大(国福大)の医学部新設のことである。
今年4月、国福大医学部の開設記念式典が成田市で開催された。山本幸三規制改革担当相、森田健作千葉県知事らが来賓として出席し、安倍首相もビデオメッセージを寄せた。この医学部開設では、成田市が京成電鉄から20億円で土地を購入し、国福大に無償で貸与。校舎の建設費用も160億円の半分を千葉県と成田市で拠出している。
「以前、栃木で医学部新設計画を進めていましたが、自治医大や独協医大があり断念しました。看護や保健の学部はありますが、自前で医学部を持つことは長年の悲願でした」(国福大の広報部) 医学部新設は1979年の琉球大学以来のこと(東日本大震災の復興目的で特例的に認められた東北医科薬科大を除く)。90年以降、国の方針で医学部新設は不可能だった。
国福大の悲願を可能にしたのが、理事長の政治力と国家戦略特区だ。