東芝ライフスタイルが白物家電世界2位メーカー中国「美的」傘下で生まれ変わったこと
かつて「家電王国」とまで称された日本。が、その面影は薄れつつある。平成の後半には、総合家電メーカーが相次ぎ家電事業を手放し、その多くは中国企業に売却された。
今回取り上げる東芝も例外ではない。テレビ事業は中国のハイセンスに、PC事業のダイナブックはシャープに売却、白物家電は2016年、東芝時代から交流のあった中国の美的(マイディア)グループの傘下に入り、現在はその子会社である東芝ライフスタイル(東芝LS)が商品設計、販売を担い、ほとんどの製品は美的が生産を担う。
美的は白物家電分野でハイアールに次ぐ世界第2位のメーカーであり、年間売上高(2024年)は8.2兆円を超える巨大企業。
■担当者を直撃すると…
今回、東芝LSの担当者に、美的グループの傘下に入ってからの変化についてまず、尋ねた。同社は「東芝の一事業部であった当時、家電は社内で投資をする事業ではなくなっており、提言が通りにくいことや、その必要性が理解されないことも多かった」と振り返る。「しかし、美的は家電が本業。同じ家電メーカーとして、しっかりと意見交換し、話し合うことができるようになった」と、同じ視点から事業を見ることができるメリットを挙げた。