「二重らせん」中川一徳著
「二重らせん」中川一徳著
有名タレントによる女性アナウンサーへの性加害問題を機に、フジテレビ、そしてフジサンケイグループを率いてきた日枝久体制が長年積み重ねてきた汚濁が一挙に噴出した。日枝氏は1992年、「クーデター」によりフジテレビの経営権を握っていた創業家の鹿内家を追い出し、自らが絶大な権力を得るに至った。
一方、同局にはもうひとつのオーナー家が存在。教育出版社・旺文社の創業家・赤尾家だ。赤尾家は旺文社が過半数の株式を握るラジオ局文化放送を通じてフジテレビ株を保有、さらにテレビ朝日株も保有して、特異な存在感を示していた。
本書は1959年のフジと朝日の開局前夜までさかのぼり、両局を舞台にして繰り広げられてきたマネーゲームの実態を暴くノンフィクション。
(講談社 上下各924円)