「二重らせん」中川一徳著

公開日: 更新日:

「二重らせん」中川一徳著

 有名タレントによる女性アナウンサーへの性加害問題を機に、フジテレビ、そしてフジサンケイグループを率いてきた日枝久体制が長年積み重ねてきた汚濁が一挙に噴出した。日枝氏は1992年、「クーデター」によりフジテレビの経営権を握っていた創業家の鹿内家を追い出し、自らが絶大な権力を得るに至った。

 一方、同局にはもうひとつのオーナー家が存在。教育出版社・旺文社の創業家・赤尾家だ。赤尾家は旺文社が過半数の株式を握るラジオ局文化放送を通じてフジテレビ株を保有、さらにテレビ朝日株も保有して、特異な存在感を示していた。

 本書は1959年のフジと朝日の開局前夜までさかのぼり、両局を舞台にして繰り広げられてきたマネーゲームの実態を暴くノンフィクション。

(講談社 上下各924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態