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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

最期が近い患者の家族から「点滴の栄養を増やしたい」と言われ…

公開日: 更新日:

 在宅医療の現場でも患者さんへの点滴は必要に応じて行われます。水分摂取を口から行えている場合は必要はありませんが、嘔吐したり下痢などを起こすなど、何らかの理由により口からの摂取が難しくなった場合に実施されます。

 そしてこの点滴の目的はさまざまです。たとえば、脱水症状を改善するために、水分補給に加え、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどといった筋肉細胞や神経細胞の働きに関わる電解質を投与する場合があります。また、胃や大腸などの消化管の病気を患っていたり、手術直後で口から食事を取れなくなっている場合などは、エネルギー源となる糖質脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの補充を点滴で行います。

 しかしそんな点滴も、看取りが近くなった患者さんの場合は話が少し違ってきます。

 ある時、命の炎があと数日という状態の高齢女性を担当する訪問看護師さんからこんな連絡がありました。

「患者さんの娘さんたちが、点滴500ミリリットルだけでは足りないのではないかと。私からは点滴により痰が増えたりむくみが出てくる場合もあり、500ミリリットルが妥当だと説明しましたが、納得いただけず、先生から直接説明してもらえませんか?」

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