下肢装具は「メンテナンス」が重要なのはなぜか
歩行リハビリのためにオーダーメードで作製した「下肢装具」は、麻痺が重度な患者さんの場合、退院後もずっと使い続けるケースがほとんどです。生活に欠かせない必需品といえるので、「メンテナンス」が重要です。そのため当院では、退院後も下肢装具を使って生活している患者さんが、定期的にメンテナンスや修理を行えるよう、「装具外来」を設置しています。そこで、当院に週2回のペースで来てもらっている義肢装具製作所2社の義肢装具士にメンテナンスを依頼するのです。
これまでもお話ししたように、下肢装具を作製する際は、一人一人の患者さんの症状や体格に合わせるためにきちんと採型したうえで進めていきます。足首と膝を固定する長下肢装具(KAFO)の場合、約10日間でその患者さんにマッチしたものが完成します。
ただ、下肢装具は装着して歩いているうちに“ずれ”などが生じ、装具の金具が当たるようになって痛みを感じるとか、下肢の特定の部分に装具が接触して歩きづらいといった不具合が現れるケースが少なくありません。その際は、迅速に不具合がなくなるような調整が必要です。