絶望の改憲大政翼賛会…歴史の分岐点で暗黒に転落<下>
野党第1党に躍り出た立憲民主主導の野党再編に一筋の光明
立憲民主党が野党第1党になったことは、野党再編を描く上で一筋の光と言える。もし、野党第1党が希望の党だったら、野党はバラバラとなり、自民党の対抗勢力も消えてなくなっていたに違いない。
前出の野上忠興氏がこう言う。
「当選のバラ付けで、安倍首相の冷めた表情が印象的でした。立憲は安倍首相による改憲は絶対反対で、反安倍の軸がハッキリしている。結束力がイマイチだったこれまでの野党第1党の民進党とは違います。ブレない明確な敵が出てきたということで、安倍首相はさぞ憂鬱でしょう。立憲の枝野代表は世論の支持を得てカリスマ的な人気になっている。これが求心力となって、立憲を中心にもう一度、野党の大きな固まりができていくと思います」
実際、無所属で出馬した岡田克也元民進党代表は、選挙期間中から、「野党がきちんと協力できる態勢をつくり、将来、大きな固まりにならないといけない」と語っていた。当選した民進系無所属は22人。岡田や江田憲司元代表代行などベテランが多く、院内会派をつくる見通しだが、立憲との統一会派を組む可能性が高い。
参院民進党についても、小川敏夫会長は「自民党に対抗するリベラル勢力の結集」を主張し続けている。少なくとも参院民進が丸ごと希望に移ることはなく、立憲と連携する可能性が高い。そうなれば、希望からの離脱組もこうした流れに加わることになるだろう。いずれにしろ、立憲民主党が野党再編の中核になるのは間違いない。
「立憲、無所属、民進参院、希望からの出戻りで民進党の再結集が進むことになるでしょう。以前の少し幅の広過ぎる民進党から、政策的に自民党寄りの細野さんたちが先に出ていったことで、自民党に対峙する『保守・リベラル系』の固まりがまとまりやすくなった。これに社民党なども加わるのかどうか」(鈴木哲夫氏=前出)
北海道や新潟での野党の善戦で、受け皿が1つになれば自公に勝てることは証明された。次こそは、である。