菅氏に「帰れ」のヤジ 翁長前知事の沖縄県民葬で会場騒然
「うそつき」「さっさと帰れ」「聞いていますか」――。ヤジは30秒間にわたって続いた。
9日、那覇市内で営まれた翁長雄志前沖縄県知事の県民葬。「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興発展に全力を尽くす」と安倍首相のメッセージを代読した菅官房長官に対し、列席者から罵声が浴びせられ、会場が一時、騒然となる場面があった。
県民が怒るのも無理はない。菅氏は県知事選で幾度となく沖縄入りし、当選した玉城デニー知事の相手候補を応援。演説では「携帯料金、私は4割程度引き下げる」と県知事に何の権限もない“空手形”を切り、辺野古移設反対を訴える玉城知事の圧勝を受けても、「政府としては早期に辺野古移設と普天間飛行場返還を実現したい考え方に変わりはない」と言い放っていたからだ。
情けないのは県民葬を欠席した安倍首相だ。本気で「県民の気持ちに寄り添う」のであれば、出席して自分の言葉で話すべきだろう。県民の怒りに触れるのを恐れて“逃亡”するとは情けない限りだ。
県民葬終了後、立憲民主党の辻元清美衆院議員は菅氏に怒声が飛んだことについて「魂の叫びではないか。知事がなぜ命を縮めたのか、沖縄の県民はよく分かっている。安倍総理は来るべきだった」と話していたが、ホント、その通りだ。
(取材協力=ジャーナリスト・横田一氏)