金子勝
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金子勝慶応義塾大学経済学部教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。

金融危機再来でアベノミクス「見せかけ景気」は剥げ落ちる

公開日:

 10月11日の世界同時株安で市場に衝撃が走った。株価暴落は今年2月に続いて2度目のことだ。8月10日には、米国の対トルコ経済制裁をきっかけに新興国の通貨暴落が起きた。市場のボラティリティー(株価変動率)が次第に高まってきている。

 その背後にいるのが、CTAと呼ばれる先物取引専門の投資ファンドだ。情報工学とAIを応用し、株式、債券、商品、為替などの先物に関する膨大なデータを収集し、スパコンを利用してミリ秒単位で売買注文を出すハイ・フリークエンシー・トレーディング(超高速・高頻度取引)という手法で損失を回避する。CTAは経済実態とも株価水準とも連動しない。相場のトレンドだけで動き、上げる時は猛烈に買い上げ、下げる時は真っ先に売り抜くため、オーバーシュートを引き起こしやすい。

 こうしたファンドが日米の金融市場で圧倒的な力を持ち、とりわけ歪んだ日本市場を格好の餌食にしている。日銀によるETF投資は21兆円を超え、ETF市場の4分の3を占める。GPIFや共済年金などは2017年度末時点で日本株54兆円、外債74兆円以上を保有する。日銀マネーや年金基金が円安株高を誘導する日本市場は、外資系ファンドにとって動きを読みやすく好都合だ。相場が下がれば日銀が買い支えるので売り抜けられるし、空売りを仕掛けて大儲けもできる。日本市場は外国人投資家の食い物にされていると言っていい。

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