大人の引きこもりに「ロスジェネ世代」が多いのはなぜなのか
5歳のときに里親を失うという喪失体験をした心理カウンセラーの中島輝さん(54)。20代では10年にわたる引きこもりも経験した。当時は外に出ることもできず、自殺未遂を繰り返すほど追い込まれていた。その後、心理学やコーチングを独学で学び直し、自身の回復経験をもとに人の悩みに応える仕事を続けて、現在は新著「愛をつくる技術」(KADOKAWA)などの著書や講座などで発信し、これまでに延べ1万5000人以上の相談に携わってきた実績がある。今回、近年多く抱える問題のひとつ「引きこもり」について聞いた。
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家族の抱える悩みとしてもうひとつ「引きこもり」問題も深刻だ。中島さんは言う。
「真面目で、学校のルールをきっちり守るタイプです。『こうあるべき』に縛られるため、視点が狭くなり、柔軟性や対応力も失われていきます。少し違うことを言われるだけで不安になって殻に閉じこもってしまうのです」
引きこもりは「自分の人生なのに、ずっと誰かのルールで生きている状態」と表現する。
「外に出られない問題というより、『自然体で生きる』ことができなくなっているんです。太陽が出ているときは起きていて、沈んだら寝ていい。そんな感覚で生きることすら、できなくなっている状態です」
また、相談者などの傾向から、就職氷河期に社会に出たいわゆるロスジェネ世代に多いという。ロスジェネ世代の引きこもりには、家庭環境の構造も大きく関係しているという。
「親の収入が悪くないケースが多く、本人がずっと家にいても、生活自体はなんとかなってしまう。その一方で、世間体を気にして引きこもりを隠そうとする親も少なくない。その結果、問題が外に出ないまま時間だけが過ぎ、気づけば20年以上引きこもっているケースもあります」
















