高野孟
著者のコラム一覧
高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

言葉遊びで相手が引っかかるのを待つ稚拙な外交手法の失敗

公開日: 更新日:

 安倍晋三首相は19日、北朝鮮による拉致被害者の家族らと会い「残念ながら日朝首脳会談については、まだメドが立っていないのは事実だ」と率直に認めた。

 それはそうだろう。安倍は1年前までは「対話のための対話は不要」で米国と足並みを揃え「最大限の(ということは軍事・経済両面で)圧力をかけ続ける」と勇ましく叫んでいたのに、トランプ米大統領にあっさりとハシゴを外されて焦り、急に「条件をつけずに対話したい」と言い出した。これでは先方も戸惑うばかりである。

 しかもこういうことは、表舞台と裏工作、実はもうひとつ裏に極秘ルートもあるといった二重、三重の仕掛けを周到に用意して立体的に進めなければならないが、安倍のやり方は、「最大限の圧力」という表現を「引き続き圧力をかけ続けることに変わりはない」と言い換え、それでも足りないと見るや「圧力」という言葉そのものを引っ込めるという、“言葉遊び”のようなことをしながら、小出しに餌をまいて相手が引っかかるのを待つ単純かつ素朴なもの。滞日体験の長い米国人記者に言わせると、「外洋でカツオの一本釣りをするようなダイナミックな場面で、釣り堀で金魚を釣るようなチマチマしたやり方をしてもうまくいかないでしょう。だから金正恩委員長も、さらに北方領土交渉で言えばプーチン大統領も、食いついてこない」ということになる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田原俊彦が干された真相…「BIG発言」だけではなかった

  2. 2

    お台場の海はなぜ汚いのか 水質を知り尽くす港区議が警鐘

  3. 3

    「女子アナ好き」の性癖と合コン主催の太いタニマチ

  4. 4

    ジャニーズ退所・錦戸亮の争奪戦に名乗りを上げた大手プロ

  5. 5

    騒動から3年 いまだ地上波に復帰できない「のん」の現在地

  6. 6

    ミスコン女王にも冷ややかな目…土屋炎伽を待つ不穏な未来

  7. 7

    CMや配信で復活の兆しも…「のん」が干された決定的な理由

  8. 8

    相葉が手紙朗読で早くも確約?「嵐」活動再開への温度差

  9. 9

    日本会議系に統一教会系…安倍新内閣はまるで“カルト内閣”

  10. 10

    1979年に渡辺プロを独立 森進一が受けた“森潰し”の圧力

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る