ラストベルトで大誤算…トランプ再選の勝機は「5割以下」
2020年は米大統領選イヤー。再選しか頭にないトランプ大統領にとって、11月3日の投開票日まで頭に血が上る日々が続く。政敵・民主党のバイデン前副大統領潰しを画策したとされるウクライナ疑惑を巡り、下院に訴追された史上3人目の「弾劾大統領」となる赤っ恥だ。弾劾裁判を審理する上院での罷免は回避できる公算だが、世論へのダメージは未知数である。
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)は言う。
「クリントン元大統領の弾劾裁判が1月初旬から2月中旬まで開かれたことから、今回も同様の展開になるのではないか。トランプ大統領には何があっても揺るがない支持層がある一方、アンチ層も固い。現状では再選は五分五分だとみていますが、裁判の証言次第では選挙戦への影響は避けられません」
そうでなくても、トランプの足元はグラつき始めている。16年大統領選では12の激戦州のうち7州を制する番狂わせを起こし、「米国第一主義」に心酔した中西部のラストベルトが当選の原動力となった。あれから3年が過ぎ、就業環境は良くなるどころか散々だ。