非情の厚労大臣 過労死ライン超え職員555人でも人員削減
コロナ対応に追われる厚労省職員の過剰な「時間外労働」が深刻な問題になっている。ただの残業レベルではない。今年1月以降「過労死ライン」超えが、職員の7人に1人にあたる555人いることが、今月1日に開かれた衆院厚労委員会で明らかになり、問題がクローズアップされてきたのだ。
「過労死ライン」とは、「1カ月で100時間」を超える超過勤務。これが今年1~5月の合計は555人にのぼり、最長で215時間に達する人もいた。
衆院厚労委でこの問題に言及した共産党の宮本徹議員はこう語る。
「現場では、忙しさのあまり泊まり込みが当たり前の状況が続いている。『ずっと家に帰れていないから、臭かったらごめんね』という心苦しい会話も現実に起きている」
実は、厚労省はコロナ以前から“過重労働”だった。昨年8月、厚労省の20~30代の若手職員38人が出した緊急提言。日本では、過労死と過労自殺は労災認定されている人だけで毎年200人前後いる。
この状況を改善するには「まず自分たちから」と省内で調査を行ったのだが、他省庁と比べて厚労省は業務量が多いにもかかわらず、職員の数は圧倒的に足りていなかった。20代後半職員の約半数は「やめたいと思うことがある」。「生きながら人生の墓場に入ったとずっと思っている」(大臣官房・係長級)といった声まで上がっていた。コロナで「過労死ライン」は予想できた事態だったのだ。