著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

井上準之助、団琢磨がテロリストに殺害された血盟団事件

公開日：2020/10/23 17:00　更新日：2020/10/23 17:00

要人を暗殺した小沼正（左）と菱沼五郎（日本電報通信社）

　１０月事件の行動計画の内容は政界や官界、産業界にも広がった。軍部はいざとなれば何を行うのかわからないという威嚇であった。たぶん軍の内部にもそのような情報を漏らすことによって、実質的にクーデターを成功させる意図があったのかもしれない。この事件の頃は満州事変が起こり、政府が不拡大方…

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