「林死刑囚は無罪」元大阪高裁判事が再審を請求したワケ
事件は新たな展開を迎えるのか。
1998年に和歌山市で4人が死亡した「毒物カレー事件」で、殺人罪などで2009年に死刑が確定した林真須美死刑囚(59)の弁護人を務める生田暉雄弁護士(79)が、5月31日付で和歌山地裁に再審請求を申し立てたことが分かった。
林死刑囚は死刑確定後の09年7月に既に再審請求をしており、再審を認めなかった20年3月の大阪高裁決定を不服として最高裁に特別抗告中だ。
生田弁護士は1970年から22年間、裁判官を務め、大阪高裁判事まで上り詰めたベテラン弁護士。「第三者による犯行は明白で、林死刑囚は無罪」と話す生田弁護士にあらためて話を聞いた。
――なぜ事件の弁護人を引き受けたのですか。
10数年前から毎年のように、林さん(死刑囚)から「弁護人を引き受けてほしい」という手紙が何通も届いていました。しかし、別の案件を抱えていて時間が取れず、ようやく時間が出来た昨年9月ごろ、本人と面会すると、とにかく弁護人を引き受けてほしいと。そこまで言うのであればと、裁判記録などを調べ始めたのがきっかけです。