著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

山崎晃嗣は査察を二重帳簿で乗り切るも、女性秘書によって税務署に筒抜けに

公開日: 更新日:
戦後復興が進む中、おしゃれに敏感な女性たちで大繁盛の美容室。後にはこの電気パーマに対して髪を熱することのないコールドパーマが主流となり、このような風景も見られなくなった(1946年9月1日)/(C)共同通信社

 山崎晃嗣の光クラブは、大胆にも資金のゆとりのある会社や財産家から高利で資金を集め、それを零細企業にそれ以上の高利で貸し付けるという初歩的なヤミ金融会社であった。

 その取り立ては情け容赦なく、零細企業の社長が返済日に遅れるとナベカマまで持っていくありさまであった。昭和23…

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