岸田首相は「焦り」が随所に見てとれる…自分の任期が長くないことを自覚している
岸田文雄は自分の首相としての任期が長くないことを自覚している。
首相就任わずか1年半の間に、敵基地攻撃能力、防衛費倍増、憲法9条改正、原発新増設など、矢継ぎ早に国民の声を無視して国の形を歪めようとする“異様”なやり方を見ていてそう思う。
元経産官僚の古賀茂明は近著「分断と凋落の日本」(日刊現代)の中で、「安倍氏は“妖怪(岸信介=筆者注)の孫”である。そして“妖怪の孫”亡き後もなお、得体のしれない安倍的なものが政界に漂っている。まさに妖怪は滅びずいまもなお自民党を支配しているのだ」と書いている。たしかに安倍の霊が岸田に憑依(ひょうい)し、安倍が果たせなかった憲法改正、戦争のできる普通の国づくりへと邁進させていると考えると、妙に納得できるものがある。
岸田首相にとって安倍の遺志を継ぐこと以外はどうでもいいことなのだ。「金融所得課税の強化」「異次元の少子化対策」「旧統一教会と自民党議員とのなれ合いを断つ」などの発言は、その場その場の口から出まかせにすぎない。
昨年10月、「公私混同」という周囲の反対を押し切って長男の翔太郎を政務秘書官に据えたのも、親バカからではなく、自分の後継づくりを急がなければという焦りからだと見る。だが親の心子知らず。能力も責任感も欠如した翔太郎は、今年1月に欧米5カ国を訪問する父親に同行したが、首相を補佐するどころか、外務省の車を乗り回して名所観光やグルメ・買い物三昧だったと週刊新潮(2月2日号)が報じた。