著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シベリア収容所での思想教育

公開日: 更新日:
1946(昭和21)年12月8日、シベリアからの復員兵ら2555人を乗せた帰還第1船「大久丸」が京都・舞鶴港に入港(C)共同通信社

 スターリンのもくろみは、北海道進駐を諦める代わりにシベリアに日本人将兵を送り込み、捕虜として使役を科すことだった。と同時に、60万人をはるかに超えるその捕虜たちに、共産主義教育を施し、日本に送り返して、革命の先兵に仕立て上げようということだった。いわば極めて政治的な思惑を隠して…

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