著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

日露戦争後に“勝戦国”日本を覆った虚無感

公開日: 更新日:
日本橋通りを行進する日露戦争凱旋部隊(1906=明治39=年2月)/(C)共同通信社

 戦争が終わった後の日本社会にはどのような変化が起きたのか。戦時のモラルは平時のモラルと全く様相を変える。それは平時から見れば、社会病理の現象と言っても良いであろう。戦場では一人でも多くの敵兵を殺せ、と言い、ヒューマニズムの精神などは最も排斥しなければならないとされるのだ。今回か…

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