ウクライナに「前提条件なし」「直接交渉再開」を自ら呼びかけたプーチン大統領の胸の内
「プーチン氏の念頭にあるのは、ロシア経済の行く末でしょう。トランプ氏が狙ったかどうか分かりませんが、『トランプ関税』はロシア経済に大打撃を与えています。トランプ氏が世界中に『相互関税』を課すと発表した後、原油価格は急落。一時1バレル=60ドルを割り込みました。ロシアは中国を中心に原油や石油製品を2~4割も値引きして売っており、買い手はいるが、政府歳入は大きく落ち込んでいる状態です。しかもロシアが急ぐ中国での天然ガスパイプラインの増設も成果がない。経済的な疲弊に加えて更なる追加制裁の可能性に、さすがのプーチン氏も焦っているのではないか」
ロイター通信(8日付)によると、米国がロシア産天然ガスの欧州向け販売の“正常化”に向けて支援することを水面下で協議したという。
「経済危機にあるとはいえ、プーチン氏に妥協する様子はありません。『前提条件なし』と言っていますが、かねて『非合法』とコキ下ろしてきたゼレンスキー政権の打倒がプーチン氏の絶対条件。政権打倒のために何をしでかすか分かりません」(中村逸郎氏)