すでに「第3次世界大戦」に突入か? 年末恒例ロング会見で露見したプーチン大統領の“世界観”

公開日: 更新日:

 33カ月あまり続くウクライナ戦争は越年が確実だ。狂った歴史観に支配されたプーチン大統領は、相変わらず侵略の正当性を主張。19日に行われた年末恒例の大規模会見では「戦勝」に自信をみなぎらせていた。年明けに返り咲く米国のトランプ前大統領は「就任前に終わらせる」と宣言した手前、調整に乗り出しているようだが、プーチン大統領の首に鈴をつけるのは至難の業だ。

 筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう指摘する。

「トランプ氏が停戦に積極的なことから日本国内では楽観的な見方が広がり、かつてほどプーチン氏の会見は注目されていませんが、トンデモないことを言っていました。『すべてのNATO(北大西洋条約機構)諸国は事実上、我々と戦争状態にある』との発言で、NATOと交戦していると初めて明言した。2022年に開始した『特別軍事作戦』は、24年に第3次世界大戦へ発展したという認識なのです」

 そうでなくても、4時間半に及んだ会見は異様だった。

 プーチン大統領は併合したウクライナの一部を含むロシア地図が映し出された大スクリーンの前に現れ、ウクライナから越境攻撃を受けている南西部クルスク州で戦う海兵隊から贈られたという寄せ書き入りの軍旗を披露。ロシア軍がウクライナ東部で1日数平方キロメートルを占領していると強調し、「目標達成に向け前進している」とまくし立てた。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  4. 9

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  5. 10

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘