マー君に読ませたい…吉井理人が語るメッツ移籍1年目“秘話”

公開日: 更新日:

 ヒジの痛みはトレーナーからレクチャーしてもらったストレッチとボールに慣れたことで、開幕を迎えるころには消えた。

 当時のプロ野球のボールに比べて、現在の統一球は縫い目が高く、よりメジャーの公認球に近づいてはいる。しかし、こればかりは個人差もあるし、実戦の中で対処していくしかない。

 硬いマウンドは苦にならなかった。投げるときに体が沈み込む日本人選手が多い中、僕はどちらかといえば突っ立ったまま投げる方。田中も体が沈むタイプではないだけに、硬いマウンドはむしろ合っているかもしれない。

■アパートが借りられない、貧乏留学生と一緒

 僕は本拠地がニューヨークにあるメッツを選んだ。ニューヨークは全米で最もシビアな場所だ。少し勝ったくらいでは見向きもされないし、カネに見合う活躍をしなければファンやメディアにたたかれる。その代わり、大舞台で活躍した選手には称賛を惜しまない。

 僕は開幕当初、グラウンド外で不自由を感じた。自分名義でアパートは借りられなかったし、クレジットカードも作れない。携帯電話を持つことすらできなかった。銀行の信用がなかったからだ。貧しい留学生たちと同じだった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性