粘りの投球で3勝目 ロッテ藤岡が克服した「マイナス思考」
「一人一人集中して投げられたと思います。昨年まではピンチで打たれることが多かったんですけど、今は粘れています」
25日の阪神戦。完投こそ逃したものの、八回途中2失点で3勝目を挙げた左腕は、交流戦負けなしのチーム6連勝に貢献してこう言い切った。プロ3年目。1年目から「将来のエース候補」と期待されながらも、過去2年の白星は計12勝止まり。原因は「弱いメンタル」だった。
東洋大時代は、マウンド上で相手打者を見下す強気な投球をウリにしていたが、プロ入り後はまるで別人のように「萎縮」。特に、実績のある強打者が打席に立つと、「打たれてしまうのでは? 自分のせいで、チームに迷惑がかかる」と弱気になり、ボールが先行する逃げの姿勢を露呈した。同僚ナインからも「アイツ(藤岡)は投球ウンヌンより、まず気持ちの弱さを見せないようにすることが先。守っていても弱気になっているのがすぐわかるから」とボヤかれるほどだった。
今季はそんなマイナス思考を克服すべく、キャンプ、オープン戦から「打たれてもいい」と自らに言い聞かせ、結果を度外視。どんな場面でも向かっていくことだけを心がけた。その結果、ボール先行でテンポの悪かった投球スタイルが一変。制球も向上して好投が続くようになった。
プロ入り前は同期の菅野(東海大→巨人)、野村(明治大→広島)と「大学ビッグ3」と呼ばれ、最も活躍するといわれながら、今では2人の後塵を拝する立場だ。
メンタルが強化された3年目。逆襲にも力がこもる。