売れ過ぎちゃって困るわ!スバル新型フォレスターは歴代最速、発売1カ月で受注1万台超え
スバル・フォレスター(車両価格:¥4,048,000/税込み~)
4月発売のスバルの新型SUV、6代目フォレスターが想定外のバカ売れだ。スバルらしい武骨な箱型デザインと全長4.6m台の使い勝手がほどよく、日本でもアメリカでも大人気。国内では発売1カ月で受注1万台の大台を超えてしまい、これは歴代フォレスター最速記録!
スバルとしては嬉しい限りだが、同時に悩ましいことも生じている。新型のもう一つの目玉たる新作オリジナルハイブリッド、S:HEVの人気が予想以上に高く、搭載グレードは発注しても納車が来年GW以降にはなると言うのだ。続報に要注意だが、作り始めて間もないとはいえ少々残念である。
S:HEVはいわば、スバルの悲願ともいえる初のストロングハイブリッドだ。同社最大の個性ともいうべき水平対向エンジン=フラット4を使いつつ、ハイブリッドにはトヨタTHSⅡの2モーター式を組み合わせている。ただし設計はスバルだ。
そもそもフラット4は個性的な鋭い回転フィールと、走りを良くする低重心性で人気だが燃費的にどうしても限界があった。しかし両者が組み合わされば鬼に金棒。このスバルと独ポルシェぐらいしか作ってないフラット4に、世界最高効率のトヨタハイブリッドの組合せはある意味夢のコラボなのだ。
事実、新型フォレスターS:HEVのWLTCモード燃費は最良18.8km/ℓと、従来型マイルドハイブリッド搭載フォレスターの14km/ℓを大幅に超えている。リッター20kmを超えないのは最新トヨタハイブリッドと比べると残念だが、スバルファンからすれば十分。ソイツが今すぐ手に入らないなんて……。
上質感は完全に1ランク上がった
しかしフォレスターには、実は折衷案ともいえる低燃費型の1.8ℓフラット4ターボ車も用意されている。そこで改めて搭載グレードの「スポーツ」を借り出してみた。
ボディは全グレードを通し長さ幅共に旧型15mm増し。実際のところサイズ感は変わらないと言っていい。一方ピアノブラック塗装を使ったフロントグリルといい。リアウィンカー以外フルLED化した前後ライト類は非常にデジタルでイマドキ。サイズは変わらねど、上質感は完全に1ランク上がった。
インテリアも従来型スバルのイメージを裏切るほどリッチ。新型フォレスターは前述したS:HEV搭載の「プレミアム」「Xブレイク」の2グレードの下に、この404万円のターボ搭載の「スポーツ」を設定しているが、いかにも最廉価グレート的な装備のショボさは一切ない。
インパネ回りは上級グレードと同じソフトパッド多用型だし、シート表皮はタッチのいいスエードと革調素材。装備的にも新型フォレスターは最新世代の11.6インチ縦型ディスプレイにキックセンサー付きのパワーテールゲート、非接触スマホ充電機能を標準装備。
足周りは「スポーツ」のみ、その名の通り少し硬めだが、だからといって安っぽさは微塵もなし。S:HEV搭載グレードの方が多少柔らかめかもしれないが好き好き。逆に純粋エンジン車なので、車重は100kg近く軽く、軽快さでは上。
パワースペックもハイブリッドは非公開だが、予想システム出力は200ps超えで、システムトルクも300Nmを超えそうだが、こちら1.8ℓターボも177psに300Nmと負けず劣らず。
ハイブリ待ちもいいけど、1.8ℓターボじゃダメですか?
実際に走った感じも、アクセルを踏み出した直後の出足はモーターパワーを併せ持つS:HEVの方がレスポンスは良いが、後半の伸びは1.8ℓターボも負けず劣らず。速さ感では同等と言っていい。
肝心の燃費だが、前述S:HEVが最良18.8km/ℓで、1.8ℓターボが13.6km/ℓ。結構差はあるが、実際のところ装備差を省くと価格差は38万円ぐらいで、補助金で28万円差ぐらいになることを考えると、元を取るのに9万キロぐらいかかる。
ラゲッジ容量もほぼ同等だが、少しだけターボの方が広い。
確かにS:HEVが欲しくなるのもよく分かる。だが、走りと価格&納期的な買いやすさを考えると1.8ℓターボの「スポーツ」でも全然悪くない。
あとはアナタの価値観、判断次第である。