新横綱・大の里が起こす土俵の波紋…「大卒力士は大成しない」に風穴を空けられるか
角界にとって大きな一石となりそうだ。
28日の昇進伝達式で、正式に横綱となった大の里(24)。29日は二所ノ関部屋で綱打ちが行われ、師匠の元横綱稀勢の里(二所ノ関親方)からは雲竜型の土俵入りを指導された。
2場所連続優勝で、文句なしの昇進をかなえた新横綱。周囲もこれまで以上に大の里を意識するのは当然だが、ある角界OBは「面白いのは大の里が学生相撲出身、つまり大卒(日体大)力士ということです」とこう続ける。
「近年は中卒の『叩き上げ』が減り、高卒力士がメインとなったが、それでも大卒組とは区別される。大卒力士はすでに相撲が完成しているケースが多く、トーナメント制に特化し、立ち合い変化や引き技を多用する力士も珍しくない。高校の大会もトーナメント制だが、こちらはまだ体や相撲が出来上がっていないので、鍛える余地は十分にありますからね。実際、これまで横綱に昇進したのは輪島さんだけというのも、『大卒は伸びない』という事実を裏付けていた。そこにきて、大の里が52年ぶり、史上2人目となる大卒横綱となった。他の大卒力士にとっては励みになるし、中・高卒力士は『学生相撲に負けられるか』となる。土俵に新風が吹きそうです」