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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

牛乳、ヨーグルト、チーズ…乳製品は肝臓に良い?悪い?

公開日: 更新日:

 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることがあるように、炎症を起こしても痛みはなく、症状がないままに病状が進行するという危険性があります。そして、いったん肝臓の働きが大きく低下すると、強いだるさやむくみ、意識障害や吐血など、深刻な症状が出現することになるのです。

 慢性の肝臓病は食事などの生活習慣と関連が深いという特徴があります。お酒の飲み過ぎによる肝障害はその典型ですが、お酒以外にも動物性の脂肪の取り過ぎは、肝臓の病気のリスクになると考えられています。

 牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は、良質のタンパク質やカルシウム、ビタミンなどを含み、栄養状態の維持に有益な食品と考えられています。その一方で動物性の脂肪を多く含み、それが肥満や慢性の肝臓病のリスクになるという意見もあります。乳製品は肝臓に良いのでしょうか? それとも悪いのでしょうか?

 今年の栄養学の専門誌にそれについての研究結果が報告されています。アメリカでの大規模な栄養調査をもとに解析したところ、高脂肪の乳製品を多く取ると慢性の肝臓病のリスクが高まることが確認されました。その一方で低脂肪の乳製品やヨーグルトの摂取は逆に肝臓病のリスクを低下させていたのです。

 乳製品は低脂肪のものを選ぶことが、肝臓の健康へのポイントであるようです。

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