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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

心臓病を発症しても仕事を続けたい…どのような整備が必要か

公開日: 更新日:

 心臓病を発症しても、適切な治療を受けて日常生活に戻り、心機能に大きな問題がないことから復職している患者さんはたくさんいらっしゃいます。

 しかし一方で、心臓病があることで「働き続けるのが難しい」と感じている人が約7割にのぼるという報告があります。昨年、内閣府が全国の18歳以上の3000人を対象に実施した世論調査によると、仮に自分が心臓病を発症した場合、今の日本社会が、その後も働き続けられる環境だと思うかどうかを聞いたところ、68%が「そう思わない」と「どちらかといえばそう思わない」という回答でした。その理由として、「体に負担がかからない業務への配置転換が難しい」が最も多く、自分の健康状態や意欲よりも職場環境に不安を感じているケースが多いことがわかりました。調査結果を受け、厚労省は「治療と仕事の両立を支援する環境整備を進めたい」としています。

 心臓病の治療後、心機能に大きな問題がない状態なら、職場復帰して就労を継続することは心臓にとってプラスになるといえます。経済面はもちろん、社会参加することによって周囲とコミュニケーションをとる機会が増えるのが一因です。

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