「シスター・レイ」長浦京著
「シスター・レイ」長浦京著
主人公は、2年前にフランスから帰国した予備校講師・能條玲。フィリピン出身のマイラや、姪の莉奈にサポートしてもらいながら、母親の介護と仕事を両立している。
そんなある日、マイラの息子の乃亜が特殊詐欺の犯人から共犯だといわれて事情聴取を受けた後に行方不明になった。表向きには一般人として振る舞っている玲だが、実は元フランス特殊部隊のエースという経歴を持っており、東京の下町の外国人たちからは頼りになる相談役として「シスター」と慕われていた。乃亜の性格を知っていた玲は、マイラの頼みで乃亜の助けになろうと動き始めるが、自身も暴力団と外国人半グレ集団のトラブルに巻き込まれることに。前職のスキルを生かしてピンチを脱するも、地下でうごめいていた国際的な陰謀が姿を見せ始めた……。
「赤刃」で第6回小説現代長編新人賞を受賞しデビューして以降、「リボルバー・リリー」や「マーダーズ」などの話題作を連発している著者による最新作。
美しくも身体能力に優れた主人公が、多国籍社会となった日本に潜む隠された悪に挑む痛快アクションストーリーだ。 (KADOKAWA 2090円)