著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

創造性が高まり、自己効力感が向上する「よそ者効果」

公開日: 更新日:

 旅行先などで仕事をしていると、思いのほかサクサクと作業が進んでしまうことが珍しくありません。あるいは、アイデアが浮かびやすかったり、固定観念が柔らかくなったり……。みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか。

 こうした効果を、「よそ者効果」と呼び、慣れ親しんだ環境から離れて新しい場所で作業すると、創造性が高まり、自己効力感が向上することが示されています。

 慣れた環境では、行動や思考が自動化され、脳は余計なリソースを使わないようにします。しかし、新しい環境になると、自動化が働かないため、脳は注意力や問題解決能力といったリソースを使うようになります。すると、いつも以上に脳が活性化し、仕事がはかどったり、アイデアが浮かびやすかったりするというわけです。

 こうした効果を示す一例が、インシアードのマダックスとノースウェスタン大学のガリンスキーが行った実験(2009年)です。2人は、海外居住経験のあるアメリカ人学生とない学生に遠隔的連想テストを実施しました。遠隔的連想テストとは、例えば、コテージ、スイス、ケーキといった無関係に見える単語を並べて、共通点を発見させるテストです(先の正解はチーズ)。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省は「品質管理徹底」と言うが…新たに放出の備蓄米「古古米」「古古古米」はおいしいのか?

  2. 2

    松山千春だけじゃない“黒い交際”が切れない芸能人たち…組長の誕生日会やゴルフコンペに堂々参加の過去

  3. 3

    中居正広氏だけが破った「SMAPの掟」…元女性アナへの“性加害”認定の泥仕合を招いたものとは

  4. 4

    回復しない日本人の海外旅行…出入国数はGWもふるわず、コロナ禍前の半分に

  5. 5

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  1. 6

    田中圭にくすぶり続ける「離婚危機」の噂…妻さくらの“監視下”で6月も舞台にドラマと主演が続くが

  2. 7

    「リースバック」で騙される高齢者続出の深刻…家を追い出されるケースも

  3. 8

    世界卓球男子ダブルス 64年ぶり金メダルのウラに“大魔王”引き立てた「ミスターダブルス」

  4. 9

    星野源が新作アルバム宣伝ポスターで“炎上”騒ぎ…「孤独はなくならない」発言で心配な新垣結衣との夫婦関係

  5. 10

    備蓄米狂騒で進次郎農相ハイテンションだが…早くも剥がれた「弱者イジメ」の化けの皮