ビットコインが最高値更新…「代替資産」の地位を確立して新たなステージへ
投資家の米国離れが進み、ビットコインに再び注目が集まっているようだ。ドル建てのビットコインの価格は、昨年の12月以降、4月上旬までに約30%下落したが、トランプ・ショックを機にいち早く価格を戻し、5月22日には1BTC=11万ドルを突破、最高値を更新した。
投資マネーが米国資産から流出している原因のひとつが米国債の格下げだ。米大手格付け会社のムーディーズは5月16日に米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き下げた。その後、21日に米財務省が実施した20年国債の入札は低調に終わった。これを受けて、米国の株価指数は大幅に下落し、長期金利の代表的な指標である10年国債の利回りは一時4.6%を超えた。ドル売りも進み、米国資産は「トリプル安」に見舞われた。反対に上昇したのがビットコインというわけだ。
ビットコイン価格の上昇には、機関投資家や企業の積極的な買いがあるといわれる。米SEC(証券取引委員会)は昨年1月にビットコインの現物ETF(上場投資信託)11本を承認した。これにより機関投資家もビットコインへ投資しやすくなった。そのうちの1本、ブラックロックのビットコイン現物ETFの「IBIT」は順調に残高を伸ばし、運用資産残高は700億ドル(約10兆円)を超えている。