松坂も中島も故障離脱 「補強失敗」懲りない球界に識者が苦言

公開日: 更新日:

 これはフロントの責任が大きい。オリックスは総額41億円をかけたにもかかわらず、新戦力が機能せず最下位に低迷。一発のある長距離打者やポジションの重なる選手がダブつき、持ち味の小回りの利くチーム力を現時点でそぐ結果になっている。ソフトバンクも松坂に加え、新助っ人のバンデンハークが外国人枠の問題で塩漬け状態だから、現場はむしろやりくりに頭を悩ませている。補強が結果としてマイナスに作用しているのだ。

「いまのフロントはカネを出したら勝てるという感覚が強すぎると思いますね」

 とは、スクール東京最高名誉顧問で組織論が専門の成川豊彦氏。

「即戦力が欲しいというのはわかるが、補強はあくまで付録。しかも補強に失敗すれば、プラスマイナスゼロではなくて、チーム編成にひずみが出てマイナスが生じるもの。補強に頼り過ぎるのはバクチに血道を上げているのと同じことです。本来、フロントはアンラッキーを前提に補強をしないといけない。まずは人材育成という地道な努力が必要であって、そこに適材適所の補強がかみ合った時に相乗効果が表れるかどうか。育成と補強の割合は『7対3』程度が適当。補強に比重を置き過ぎて苦しんでいるチームは特に、根っこの部分をどこかで軽視しているのではないか」

 本来は補強の失敗にビクともしないチームをつくるべきなのに、補強にオンブにダッコでなおかつやり方を間違っていては勝てなくて当然。大金を捨てるどころか、カネを使ってわざわざチームを弱体化させてはファンもしらけるだけだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  2. 2

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  3. 3

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  2. 7

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  5. 10

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた