福岡国際マラソン惨敗 川内優輝を狂わせた五輪の“魔物”

公開日: 更新日:

 今もマラソンの日本記録保持者である高岡寿成氏(カネボウ陸上競技部監督)も、「アテネ五輪で金を狙う」と公言しながら、選考レースの03年福岡国際で3位(2時間7分59秒)に終わり代表漏れした。その原因について、日刊ゲンダイのインタビューでこう語っていた。

「それまで五輪マラソンの代表選考会に出たことがなかったからだと思う。スタート地点に立つと、他のレースとは違う独特な雰囲気でした。そう感じた時点でアウトだったかもしれません……レース前は、選考会に出ていないということは、年齢(当時33歳)と他のレースでの体験などから補えると思っていた。でも、実際にはそうはいきませんでした。緊張なのか、何なのか……終盤は体が思うように動かなくなりました」

 その約1年前、米シカゴで2時間6分16秒を出した日本最速ランナーも「五輪の魔物」に屈したわけだ。

 川内に話を戻せば、50回を超えるフルマラソンとロンドン五輪の選考会も経験済みだ。大事なレースでいつもの走りができないのは要は実力不足。過去の五輪代表や、メダルを手にした選手たちは、吐き気を催すほどの重圧や試合中の故障などの障害を何度も乗り越えてきた。レース中の足のしびれは天罰ではなく、五輪の舞台に立つだけの資格がなかったということかもしれないのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動