パティシエで頭角 元広島投手がスイーツ界で挑む“白星”

公開日: 更新日:

 プロ野球と違って圧倒的な女性社会。働く同僚は25歳以下の女子ばかり。ケーキ作り未経験の小林さんは、クリームを混ぜるゴムベラの使い方やタルトの型作りすら知らなかった。年下の上司はそんな新人に厳しい視線を向け、最初の2年は「何やってんの!」「きのう教えたばかりでしょ!」と連日のように怒声を浴びせられた。

「自分ができないので仕方がないのですが本当に悔しくて。そこに老舗ケーキ店ならではの厳格な衛生管理も加わるので精神的にも辛かった。髪の毛1本入っても反省文。徐々に仕事に行くのが嫌になり、何度も心が折れそうになりました」

 それでも、あきらめずに修業を続けた。

「ケーキを作りたいと思って自らこの道に入ったのに、怒られるのが嫌で辞めるは恥ずかしい。それに、この世界も野球界と同じで実力社会。自分がうまくケーキを作れさえすれば誰も文句は言わないはず。そう前向きに考えようと」

■カフェの店名は野球にちなんで…

 修行期間中、ほかのレストランやカフェで掛け持ちのバイトもした。接客や店舗経営も学ぶ必要があったからだ。働きづめで体がボロボロになる日々が続いたが、「あきらめたらそこで終わり。道は自分で切り開く」。この思いで4年半に及ぶ試練を乗り切った結果、2011年4月に念願だったカフェを代官山にオープンさせた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」