研究者に聞く 「ミトコンドリア」でマラソンは速くなる?

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――でも、そんな運動をすれば乳酸が生じますね。乳酸はエネルギー源ともいわれますが、過剰な蓄積は筋肉を酸性化させ、運動機能の低下や筋肉疲労を招きますよね。

「乳酸が出てくるような高強度の運動がいいのです。乳酸が出てくるのは、ミトコンドリアが処理しきれないからです。そうなると細胞はミトコンドリアを増やそうとするのです」

――それはなぜですか。

「ミトコンドリアは細胞の器官なので運動中には増えませんが、能力不足の厳しい目にあった後の運動をしていない時に、将来の同様な事態に備えて増えるのです。ミトコンドリアが増えれば、以前よりたくさんのエネルギーが作られます」

――すでにこのようなトレーニングを取り入れている選手がいるのに、マラソンの記録が伸びないのですから、日本選手が五輪でメダルを取るのは無理ですね。

「練習法は知っていても、ミトコンドリアが増えるという理屈は後から知った人が多いのではないでしょうか。インターバルトレーニングはまさにそうでしょう。全力で走ってペースダウンして、また全力で走る。その繰り返しですから。私は陸上の指導者ではないので、マラソンの記録のことはわかりません。マラソン強化のひとつのヒントになるとすれば、スピードランナーにマラソンを走らせることではないでしょうか」

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