帰れない理由が次々 両親が仙台で第二の人生を始めた顛末

公開日: 更新日:

 天才卓球少年の両親もまた、中国四川省チームの男女のエースだった。

 国外で研鑽を積んでいた父・宇さんが仙台ジュニアのコーチに就任したのが1998年。

 その直後にマレーシア代表のコーチだった凌さんが、第14回アジア卓球選手権大阪大会で来日し、宇さんの働く仙台まで足を延ばした。

「仙台に着いてすぐ、いい町! と思いました。四川省の故郷に似ていたし、住みやすそうだった。中国では結婚の年齢はそれほど気にしませんが、そろそろ落ち着く頃でした。彼には仙台で安定して欲しかった」

 宇さんも同じ思いだった。

「私たちは10年間、超遠距離恋愛でしたからね……。彼女が仙台を凄く気に入ったようだったので、決心してプロポーズしました」

 仙台は人口108万人。東北一の繁華街「国分町」があり、サラリーマンが出張したい町の上位にランクインする政令指定都市だが、少し歩けば緑豊かな「杜の都」でもある。

「夏は暑くもない、冬もそれほど寒くない。2人で青葉城跡にも行ったし、松島にも何度も行きました。郷里には派手な祭りはありませんから、夏の七夕祭りの人出には驚きました。中国には(日本が)好きじゃない人もいますが、私は来てみてイメージが変わった」(凌さん)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした