巨人が血眼になるほど加速 清宮の“大学経由メジャー挑戦”

公開日: 更新日:

■入来、上原が直面した球団方針

 1998年に入札制度が導入されてから、これまでに10球団、延べ23選手が同制度を申請。12球団でソフトバンク巨人だけが活用していない。特に巨人は、00年にオリックスが同制度でイチローをメジャーに行かせて以来、終始一貫、ポスティングシステムには否定的な姿勢を貫いてきた。

 当時、巨人の渡辺オーナー(現読売新聞グループ本社代表取締役主筆=90)は、「FAでもないのに17億円入るからといって売り飛ばす球団がいるから日本の優秀な選手が出ていっちゃう。もう少し愛国心を持たんといかん」とオリックス、イチローを批判。その3年後、“身内”の入来(現ソフトバンクコーチ)がメジャー移籍含みの代理人交渉を要求すると、巨人は大騒動の末に日本ハムへ放出した。04年、05年にはエースの上原(現カブス)が入札制度によるメジャー移籍を訴えたものの、これもけんもほろろに突っぱねられ、最終的にアマ時代からの夢をかなえたのは、FA権を取得したのちの34歳になる09年だった。

 巨人の、米国への人材流出に対する懸念、選手をカネで売るシステムへの嫌悪感を理解する声はあったものの、メジャーを目指す選手にとっては球団のその考えが受け入れ難いものであるのは確か。清宮の進路の鍵のひとつは巨人が握る。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし