WBC韓国代表 初の自国開催で連敗もブーイングなしのワケ

公開日: 更新日:

 観客は冷めていた。

 初の自国開催となった韓国が、前日のイスラエルに続き、この日はオランダに0-5で完敗。2大会連続の1次ラウンド敗退が濃厚となった。

 韓国の国民といえば、国際試合では自国代表に熱狂的な応援を見せる一方、惨敗には容赦ない怒声を浴びせることも多々ある。ところがこの日は、絶望の完封負けにもスタンドはやけに冷めていた。

 今回の韓国代表は、メジャーリーガーの不参加に加え、主力となる選手の故障や不祥事でベストメンバーが組めなかったことから「史上最弱の代表」と言われていた。ハナから2次ラウンド行きを諦めていたのかもしれないが、理由はそれだけではない。

 韓国は依然として朴槿恵大統領に関する不正問題に揺れている。さらに先月には、大統領に多額の賄賂を贈ったとしてサムスン電子の李在鎔副会長が逮捕され、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害されるという大きな事件も起きた。北朝鮮は今年に入ってもミサイル発射訓練を繰り返し、6日にも在日米軍基地が訓練標的だったという弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射。国内の政治・経済は大荒れで国防不安も増している。

 先月には、来年2月の平昌五輪に向けてプレ大会が行われたが、どの競技も国民の関心は低かった。今はWBCどころではないのだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗