重量挙げパワハラ 三宅会長にあの女性選手も“三くだり半”

公開日: 更新日:

 日刊ゲンダイの取材で明らかになった日本ウエイトリフティング協会会長で、女子代表監督を兼務する三宅義行氏(72)によるパワハラ問題。協会は12日、都内でコンプライアンス委員会を開いて今後の対応を協議する一方、スポーツ庁に状況を報告した。三宅会長はメディアの取材に「当時、それをパワハラととらえられたのなら『申し訳なかった』と謝罪している」と説明しているが、協会や日本代表の指導現場では、かねてワンマン体制の弊害が表面化していた。本紙が知るその内情を明らかにする。

■協会中枢や代表コーチに個人的つながりの深い人間

「会長のワンマンぶりが如実に表れているのが、代表のコーチ人事です。過去に娘の宏実(32=2012年ロンドン五輪銀メダル、16年リオ五輪銅メダル)を指導して記録を伸ばすなど、女子選手の指導に定評がある韓国人コーチを辞任に追い込んだことがあった。会長の指示に背いたことがその理由とされましたが、実際は指導した選手が次々に結果を残すその韓国人コーチの存在に、女子代表監督としての自分の立場が脅かされると感じたから。韓国人コーチが考えた練習メニューを一切認めなくなり、これではコーチでいる意味がないと韓国に帰ってしまったのが真相です。事実上、三宅会長が優秀な人材を追い出した。自己保身に過ぎないともっぱらです。他にも優秀な人材がいながら、協会中枢や代表コーチには会長の母校(法政大)の後輩や個人的なつながりの深い人間を据えている。組織の私物化で、ウエートリフティング界は『三宅ファミリー』と批判されても仕方がありません」(協会に詳しい関係者)

 そもそも女子代表監督としての指導力も疑問視されている。三宅会長が作成する全日本合宿でのメニューはすべて一律で、選手の階級や、その日のコンディションなどはほとんど考慮されていない。選手によっては故障を抱えていたり、体調によっては与えられたものとは違う練習を希望する場合もあるが、個別メニューはまず認められない。今回のパワハラ問題が表面化するきっかけになった女子トップ選手による3年前の告発も、三宅会長が指示したメニューとは違う練習をしたことで、コップを投げつけられ、「練習場から出て行け!」と怒鳴られたりしたことが原因だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁