著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

大船渡の佐々木朗希君 おじさんは君に言いたいことがある

公開日: 更新日:

 岩手・大船渡高校3年、佐々木朗希くん。オオフネワタリとか読む復興大臣とかいるかもしれんからクギ刺しとくぞ、オオフナト!

 岩手県の海沿いの町だ。東日本大震災じゃ津波でたいへんな被害に遭ったんだ。

 そこの高校の野球部のエース、佐々木朗希くん。「ろうき」と読むんだ。パソコンに打ち込んで変換すると「労基」なんて出るが労働基準法じゃねえぞ厚労大臣! 朗らかに希望に胸膨らませる、いい名前だ。希望に燃える青年の未来は、穴だらけ働き方改革で明るいか総理!(まあいい)

 なんせ、練習試合で163キロ出したんだ。高校3年で160キロ出した大谷翔平の上行ってんだ。背も才能も抜きんでてるもんで、野球名門校が「どうぞうちへ!」と誘いまくり、引く手あまただったのに、佐々木くんは何て言ったと思う?

「中学の仲間と一緒に野球がしたい」

 とな、大船渡で仲間と野球やっとる。

 ……あの、佐々木くんサ、おじさんはな。ま、中学時代の友達と、高校でも一緒に頑張りたい、と、思わんかった。高校で新しい友達ができて、社会に出てもっと多くのヒトと知り合って、揉まれ揉まれて、おじさんは、まあ、現在に至っておる。おじさんは九州・大分県の出でな、現役プロ野球選手と言ったら、ホークスの今宮、西武の源田、アゴの内川。ま、岩手の翔平や君みたいに小顔で190センチ超えじゃない。やや、この、短足胴長の地味な職人肌だ。ずばぬけた才能の佐々木くんにおじさんごときがあじゃくじゃ説教など垂れるのぁおこがましい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし