著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

日本にとって厄介なのはエクアドルの“ネガティブパワー”

公開日: 更新日:

6月23日 日曜日

 日本かエクアドルか。2019コパ・アメリカ(ブラジル)8強進出の行方は24日のベロオリゾンテでの両国直接対決に絞られた。「勝つしかないってことは極めてシンプル」と2戦連続先発濃厚の岡崎慎司(レスター)が話したように、日本が生き残るためには白星をつかむだけ。それだけの底力が若き森保ジャパンにあるのか。明日のC組最終決戦から目が離せない。

 ◇  ◇  ◇

 23日は日曜日。ベロオリゾンテのセントロは前日までの賑わいが嘘のように閑散としていた。水を買おうと適当な店を探したが、どこもシャッターが閉まっていてなかなか見つからない。2014年ブラジルW杯時は特別だったのか、買い物に困った記憶がない。結局、薬局で小さなペットボトルを入手したが、本物のブラジルの週末の静けさを思い知った。

 そんな中、サン・ジョゼー教会前を通りかかると大勢の人が礼拝に参加していたので、筆者も思い切って中に入った。ブラジルは敬虔なカトリックが多い国。日曜日には教会へ行って祈りを捧げる文化が定着しているのだろう。ただ、奏でているのは聖歌ではなく、歌謡曲に近い明るいメロディの音楽だった。欧州の教会で何度か礼拝を見たことがあるが、趣きがかなり違っていた。ブラジルらしい陽気な雰囲気に少し心が癒された。

 その後、日本とエクアドル両国監督会見出席のためミネイロンへ向かった。ここを訪れるのは5年ぶり。ドイツに1-7で惨敗したブラジルの人々が絶望感に打ちひしがれ、涙を流す人もいたことを思い出す。

 そこでまずB組のアルゼンチン対カタール、コロンビア対パラグアイの2試合を見たが、崖っぷちのアルゼンチンが早々と先制。1位通過が決まっているコロンビアもパラグアイに1点を先行した。結局、このスコアのまま終了。日本とエクアドルの勝った方が8強入りするということがハッキリした。しかも3位通過の場合の相手はブラジルだ。サッカー王国と彼らのホームで公式戦ができるチャンスなど滅多にない。貴重な経験を積むためにも、日本としては何としても勝利を手にしたいところだ。

 森保一監督も「(2-2で引き分けた20日の)ウルグアイ戦(ポルトアレグレ)のメンバーをベースに戦う」と宣言。強豪から2ゴールを奪った三好康児横浜)や18歳の久保建英レアル・マドリード)に加え、岡崎と川島永嗣(ストラスブール)の両ベテランも投入して、現状の最強布陣で挑む構えだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」