伊藤智仁のスライダーはまるで「交差点の左折同士」だった
伊藤智仁(49=現楽天投手チーフコーチ)のスライダーは日本一、いや、世界一だと言っても過言ではないでしょう。彼が活躍した年は何年もありませんが、強烈なインパクトをファンのみならず、僕ら選手にも与えてくれました。
ルーキーイヤーは圧巻でした。1年目の1993年、前半戦の14試合だけとはいえ、7勝2敗、防御率0・91。先発で防御率0点台なんて、そんな投手はいませんから。それも新人ですよ。
センターの守備位置から投球を見ていると、これが実に面白いんです。特にスライダーを投げたときなんて、バットとボールの接点がまるでない。これが右打者ともなると、まるで交差点の左折同士です。
スライダーは横変化のボールですが、それでも普通の投手ならタテに少し落ちるわけです。伊藤のそれは本当に真横に大きく曲がる。打者も最初は直球だと思って振る。右打者だから、右方向から左方向にバットが動くわけです。ところが、ボールはバットを避けるような軌道で曲がる。バットも左折ならボールも左折なので、当たるわけがありません。
内角を投げられたと思って腰が引けた打者の目の前でギュン! と曲がってストライク……なんてこともありました。さらに直球も速く、大きなタテのカーブもある。いまだにその投球を強烈に覚えているくらいです。
そんな伊藤に対して、野村監督は当初、
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