野村監督が選手を褒めないのは「出来て当たり前」だから
僕は現役時代、野村監督と一対一で話したことはほとんどありません。正捕手の古田敦也さんは、よく監督と話していましたが、他の選手も僕と同じだったのかもしれません。作戦面の指示は別として、個人的な会話はほとんどありませんでした。その代わり、本当によく怒られました。
守備や走塁に関してカミナリを落とされたことはなく、叱られるのはすべて打撃のことです。
■とにかく怒られ、叱られた
「どんなことを考えて打席に入った?」
「状況を考えろ」
「あの打席で何をしなきゃいけなかったのか、わかるか?」
そんな具合です。凡打してベンチに戻ったときや、試合後に注意されました。翌日のスポーツ新聞に載っている監督談話を通じて、というケースもありましたね。
「おまえの武器は何だ? フライを打って何の役に立つんだ!」
何度も何度もそう言われました。