6.19開幕ボイコットなしも…選手が懸念する2つの重大問題

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 このままでは引くに引けないだろう。

 15日、日本プロ野球選手会がオンラインで開いた臨時大会。かねて選手会が問題視している公式戦削減に伴う出場選手登録日数の扱いについて、16日のNPBとの事務折衝で合意に至らなかった場合も19日の開幕はボイコットはせず、交渉を継続することを決議した。

 NPBは、公式戦を143試合から120試合に短縮するものの、今季の選手の年俸を保証。その点では選手もひと安心だろうが、炭谷選手会長(巨人)は「痛みを分かち合うのは当然」と前置きした上で、「選手生命に関わるルールとして、どうしても選手として譲れない部分がある。一点挙げるとすれば、出場日数のカウント」と話した。

 この問題は、とりわけ選手のFA権に大きな影響を及ぼす。例年だと190日前後ある出場登録可能日数は、今季は最大で141日。例年の75%程度だ。ルール上は145日を1年として換算するため、このままでは全ての選手が1シーズンを満たすことができない。NPBは、120試合に減ることを基準に考えるべきと主張する一方、選手会は1試合の価値を上げることで、通常と同様の換算をするよう求めている。

■巨人・菅野ら影響大…FA取得が1年ズレ込む可能性も

 出場登録日数のカウント方法が変更されなければ、FA権の取得が先延ばしになる選手が多数出てくる。たとえば、巨人の菅野は海外FA権を取得するまで、あと1年と145日。早ければ2021年オフに条件を満たすことができたのが、2022年オフにズレ込むことになる。ヤクルトの山田(0年77日=国内FA)や日本ハムの西川(0年46日=同)のようにFA権取得が間近に迫っている選手はもちろん、ソフトバンクの千賀(2年53日=同)ら、メジャー挑戦を視野に入れている選手もより一層、一日一日の重みが増す。

「NPBも救済措置を考えていますが、換算する割合に開きがある。出場登録日数が例年通り190日間あれば、45日間離脱しても、1シーズンを満たすことができた。しかし今季は、ただでさえ過密日程で選手の負担が大きい上に、休めば休むほど日数を稼げなくなる。コロナ感染による離脱はもちろん、骨折や肩肘などの大ケガで1カ月単位の離脱となればなおさらです。仮にFA取得が1年遅れれば、年齢の問題も出てくる。特に、メジャー挑戦を視野に入れている選手にとっては死活問題といっていい。メジャーとの契約は日本以上に年齢が大きく左右する。若ければ若いほど好条件を得やすい。契約が1年ズレ込むことで、億単位の“損失”に発展するケースもある。FA権取得に遅れが出るなら、1年でも早くポスティングを認めてほしい、と直訴する選手が出てきても不思議ではありません」(球界OB)

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