鈴村裕輔
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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国の球団経営者たちが「トランプ再選」に期待する理由

公開日: 更新日:

 バイデンは大統領選の伴走者となる副大統領候補に女性を指名することを公言している。そのため、予備選挙の際に最大の対立候補となったバーニー・サンダースに比べて若者の支持を得られなかったバイデンが、女性であり、若者から人気のある上院議員のエリザベス・ウォーレンを指名する可能性も指摘されている。

 一方、民主党内では、伝統的な支持層であるアフリカ系や存在感を高めているヒスパニック系の米国人の票を取り込むため「非白人女性を副大統領候補に」という声が高まり、「初の女性黒人大統領を目指す」とされる上院議員のカマラ・ハリスらが有力視されている。だが、ハリスは予備選中、バイデンを最も強硬に非難しており、副大統領候補としてバイデンを支えられるかは不透明だ。

 知名度の高いウォーレンを副大統領候補に指名すれば、若者の支持は得られるかもしれない。しかし、「富裕層への課税強化」「徹底した大企業の規制」といったウォーレンの主張はバイデンの政策から中道色を薄め、革新寄りにする。そのような民主党候補が政権を獲得すれば、球団経営者たちの本業もさまざまな制約を受けることになる。

 こうしたことから、経営者たちは国内外の評判は高くないとはいえ、大企業への規制には消極的な姿勢を示しているトランプや共和党の政権が続くことこそが望ましく、「トランプ再選」に期待をかけているのである。

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