阪神早くも後任監督探しか…福留孝介氏と赤星憲広氏が浮上

公開日: 更新日:

「やる気のないやつは使わない!」

 複数の阪神OBによると、3―6で敗れた1日の中日戦後、矢野監督が選手全員を招集して緊急ミーティングを開き、こう叱責したという。

 歴史的貧打と投壊に苦しむ阪神は当日、3失策と守乱にも陥った。開幕4カード連続負け越しは1996年以来、開幕11試合で9敗は球団ワースト。

 緊急事態といわんばかりに矢野監督は動いたというのだが、ある阪神OBは「安打が出ただけでガッツポーズをする姿とは打って変わって、ミーティングでは厳しい言葉を並べ立てたといいます。『ベテランと助っ人はシーズンを見据えて調整してほしい』と、フォローも入れたそうですが……」と、こう続ける。

「開幕2週間で監督が緊急ミーティングを開くこと自体、異例のこと。しかも、口角泡を飛ばして選手の尻をたたいたわけです。まだ始まったばかりだし、逆に慌てるなと浮足立つ選手をなだめてしかるべきなのに、先頭に立ってアタフタしている。貧すれば鈍するで、これでは求心力も薄れますよ。

 今季は若手もベテランも助っ人も総じて不調。昨季、リーグトップのチーム防御率(3・46)を誇った看板の投手陣が、本来の力を発揮できていないのも事実です。ただ、低迷の要因は矢野監督のハンドリングのマズさにもある。稚拙な采配や選手起用が波に乗れないチームの足をさらに引っ張っている。それでいて、やる気のないやつは使わないと、一方的に責任を押し付けられる選手はたまらない。チームの士気は下がって当然です」

■機能しないコーチ陣の存在

 やり玉に挙がっているのは矢野監督に限らない。

「コーチ陣も機能しているとは言い難い」

 とは、別の阪神OBだ。

「特に清水ヘッドと井上打撃コーチの2人です。ともに、矢野監督が中日での現役時代に同じ釜の飯を食った肝いりの人物。清水ヘッドは選手の自主性を重んじたり、黒子に徹しているのかもしれないが、練習や試合で大きな声を出すくらいで、ヘッドコーチらしい言動が見られない。選手を叱責する必要があるとすれば、まず動かないといけないのは監督ではなくヘッドコーチですよ。

 打撃に関しては、今季から阪神入りした井上打撃コーチが中心になって、オーダーを組んでいる。最終決定権は矢野監督にあるとはいえ、開幕3戦目でボーアを4番から外したり、捕手を日替わりで起用したり、むしろ低迷に拍車をかけているといっていい。『やることはやっている。我慢するしかない』というのは、具体的な打開策を見つけられない、と言っているのと同じです」

 昨秋と今春のキャンプでは中日OBの山本昌氏を臨時コーチに招聘するなど、「今の阪神は、中日タイガースや」と皮肉を言う生え抜きOBもいる。

 矢野監督の求心力が低下する中、親会社や球団からも、その資質を問う声が上がり始めているという。地元の球界関係者が声を潜めてこう明かす。

「阪神は人一倍、ファンの声を気にする球団。そのファンが何より、矢野采配へ不満を募らせています。矢野監督は3年契約の2年目ですが、前任の金本監督は、新たに3年契約を結んだ2018年に最下位となり、電撃解任された。阪神の監督の契約年数はあってないようなもの。開幕直後とはいえ、このままチーム状態が上向かないようなら、電鉄本社や球団上層部が『矢野解任』に舵を切る可能性は十分にあります」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  2. 7

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  3. 8

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  4. 9

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  5. 10

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」